樹木も人間と同じです。早めの対策が大切です。
もっと言うなら 弱らないような環境にすることです。
お寺や古い神社を歩いていると、大きい穴が開いた
古木をよく見かけます。少し前までは このような穴
には コンクリート モルタルなどがよく詰め込まれて
いました。うまい具合にカルスが巻き込んでいるもの
もありますが、大半は見るも無残に腐朽は大進行
しています。中には 雨水が溜まって腐朽菌や虫
たちにとって快適なジメジメ空間になっています。
そこで最近では いかに乾燥させて 樹木の強度を
高めるかが 問題となります。
樹木医学も 試行錯誤の連続です。絶えず 研究
しなければいけません。
イメージが先行しがちな腐朽部治療も大切
ですが 樹勢回復を考えるとき最も重要視
するのは根茎 土壌状態です。樹木にとって
栄養をとり 水をのみ 息をするのも大半根茎に
頼っています。健全な土壌環境に育つ樹木は
病気にも虫にも 気象条件などのストレスに
強い抵抗力を示します。
東大阪のある神社
アキニレ
幹の上半分は長
年の腐朽でえぐ
れている。
ここにもひび割れ
たモルタルが敷か
れていた。踏圧
による樹勢衰退
も激しかった。
今では 葉の大き
さも一回り大きくな
り元気になった。
八尾市のあるお
寺 大イチョウ
幹周り3mほどの
イチョウ 幹の中
は完全に空洞。
幹の樹皮も半分も
生きていないが
大きな不定根を高
さ7mぐらいから
地面におろして
いる。
クロマツの腐朽部